放課後-1
数学のテスト返却を終え,数学教師の藤田誠は一人の女子生徒の不安そうな顔を見てニヤリとする
やっとこの時が来たか・・・楽しみだな
「えー,今回のテストの平均点は63点だ。みんな前回よりは頑張ったみたいだから放課後の補習は無しとする。もうすぐ受験なんだから努力を継続するように」
ま,北山実奈を除いては だがな。しかし約束は約束だからな・・悪く思うなよ・・・
藤田の眼鏡の奥が怪しく光り,実奈の滑らかそうな肌,艶やかな黒髪,長い睫毛や大きな瞳を観察している
―藤田先生・・私,どうしても大学に推薦で行きたいんです・・でもこの前の内申だと難しくて・・中間テストは失敗しちゃったけど,今度の期末で90以上取れたら評定上げて下さいませんか?―
―内申は前の結果でほとんど決まってるんだから北山だけを特別扱いする訳にはいかないんだ―
―それは分かってます・・・でも・・お願いです!私にチャンスを下さい―
―・・・・残念だが―
―もし失敗したら・・私,何でもします・・!!・・先生のためなら・・雑用でも何でも―
―・・・分かったよ。内申は保留にしておく。本当に何でも,なんだな?後悔してももう遅いぞ北山―
―ありがとうございます藤田先生!・・でも一体何をする気なんですか?まさか・・でも・・それでもいいです絶対頑張りますから―
こうして北山実奈と藤田は契約を結んだ
猛勉強の結果,結局実奈は66点という平凡な点数しか取ることができなかったが,藤田がわざと実奈が不得意とする分野の配点を高くしたり,問題のレベルを上げたことを実奈は気づいているのだろうか。そしてこれから実奈が何をするのかという事を
「はい静かに!明日からは普通授業だから予習するように・・それから北山!」
「・・はいっ!」 実奈は慌てて藤田の方を見る
「北山は・・放課後残るように。テストの点数に間違いがあるみたいだからな,分かったか」
「・・はい・・」
実奈の不安な瞳は点数の間違いなど嘘で,周りの生徒に実奈との関係を怪しく思われないためだけだと気付いているようだ
今からこんな美少女の体を自分の思い通りにできる――
生徒から見えない,教卓の裏では藤田のモノが欲望を抑えきれずにいたのだった
藤田が黒板に数学の問題を書いていると,約束の時間に少し遅れて実奈は現れた
そして放課後の教室には勿論二人のみ
実奈は緊張しているようで,なかなか藤田の顔を見ようとしない
「北山・・ちゃんとあの事は覚えてるよな」
上目使いで藤田を見上げる
「はい・・分かってます・・最初から無理にお願いした事ですから・・・約束通りに・・します」
実奈は伏し目がちに,恥ずかしそうに言う