半月-1
ある日子供と月を見た。
それは見事に半分に欠けた、白く大きな半月だった。
私はその月を見ながら、何の気なしに子供に聞いてみた。
「もうハンブンはどこにいったんだろうね?」
それを聞いて子供はこう答えた。
「あれはね、ハンブンにたたんであるんだよ!」
う〜ん、この子はどうやら慎重な子になりそうだなぁ。
私はそう思いながら、彼の頭をよしよしと撫でた。
それから数年後、ある日子供と月を見た。
それは見事に半分に欠けた、白く大きな半月だった。
私はその月を見ながら、何の気なしに子供に聞いてみた。
「もうハンブンはどこにいったんだろうね?」
それを聞いて子供はこう答えた。
「もうハンブンはかぜでどっかとんでっちゃったんだよ!」
う〜ん、どうやらこの子は奔放な子になりそうだなぁ。
私はそう思いながら、彼の頭をわしわしかき混ぜた。
今、私の手の中に眠るこの子と4年経ったらまた半月を見よう。
その時は慎重な長男と奔放な次男と一緒見よう。
4年後、おしゃまになっているであろうこの子は、いったいどんな素敵な答えを聞かせてくれるのだろう?
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