続・僕はHな管理人-5
『当たるの…』
「………?」
『さっきから、ずっと私の太ももに…』
「あぁ―――僕のが?」
『ごめんね…気になっちゃって…』
「………」
『ホントにごめん…零の真剣なとこ…邪魔して』
「………唯?」
『ん…?』
「―――ホントはそんなことが気になってる訳じゃないよね?」
『………』
「―――怖かった?僕が…」
『………うん…少し…』
「ごめん…唯…」
実は…正直、唯が相手だと、僕自身、全然余裕がなかった。
唯の忘れたがっている彼よりも、唯を満足させてあげることが出来るのか?
いつもの僕らしくないけど、やはり大好きな唯の前では、僕はただの22才の男な訳で…
でも、唯が一度止めてくれたことで、何とか冷静になり、いつもの自分を取り戻せた気がした。
「優しくするよ…唯…」
『ありがと…零…』
唯の安心した顔を見たら、無理して強がらず、いつもの僕で唯を悦ばせてあげようと思った。
………
僕達は服を着たまま、ベッドに並んで横たわっていた。
唯に腕枕をした僕は、唯の細く長い指を弄びながら、あえてこう聞いてみた。
「ねぇ…唯の彼はさぁ…どんな人だったの?…優しい人だった?」
唯は、一瞬戸惑いながらもこう答えてくれた。
『彼はねぇ…とても優しくて、とても弱い人だった…』
唯は僕に向き合うように、体を横向きにすると、僕の指に自分の指先を絡めこう続けた。