未少年 3-2
「ヒント?」
「それまで彼が何してたのかとか、とにかく彼の情報のさ。だって彼のいた病院とか免許証の住所にだって問いただすわけにもいかないでしょ?匿ってる身なんだから…」
「あーそっかぁ。あ、そういえば帯持ってたって言ったよね?」
「…あっ!」
「まだ見てない?」
「うん…それに結構ボロボロっていうか…殆ど壊れてそうな感じだったし…」
「でもとりあえず見るだけ見てみたら?」
「うん…そうしてみる…」
「で、いつまで家に居候させるつもり?」
「んー…それがねぇ…。あんなに病院嫌がる姿見せられるとやっぱり可哀相で…。今日の朝だって私が家出る時すごい寂しそうな顔しててさ…。お昼ご飯だけは作り置きしといたから大丈夫だと思うんだけど…」
「いや、メシは別の話としてさ…このまま匿っておくのはあむにも彼にも良くないよ?それに薬にだって限りがあるんだし、もし彼の体調が急変したらどうするの?悪いのは脳だけじゃないかもしれないんだよ?」
「…うん……」
「あ…ごめん…言い過ぎたね…」
「ううん…きよらーの言う通りだよ…。分かってはいるんだけどさ…」
「…ふぅ…。まぁ、私の方でも出来る限り力にはなるからさ、とりあえず独りで抱え込まないで?ね?あむはうちのショップでも特に人気あるスタッフなんだから」
「…うー…ありがとう…」
「鷹とかには話したの?」
「ううん…まだ」
「鷹丸も結構顔広いからさ、もしかしたら何か力になってくれるかもよ?」
「うん…そうだね…」
「とにかく、あむも含めてうちのスタッフは皆家族なんだから。ね?あむ独りだけの問題にはしとけないよ」
「きよらー……ありがとう…」
「どういたしまして〜。さて、もうそろそろ休憩終わりだよっ。気持ち入れ替えてがんばりましょーっ!」
「…うんっ」