白銀のたまご〜パチプロチーコの生活3-8
[ チーちゃん… ]
サワちゃんは私に近づくと
[ この通りっ! ]
裏通りとはいえ、人通りは決して少ないとは言えない
そんな中でサワちゃんは私の足元に手をついたのよ。
[ お願いします
3万円…3万円貸して下さい
必ずお返しします ]
サワちゃんには何度かシゲルに無心されてるところを見られてる。
シゲルと夫婦なんだと勘違いしてるのかも知れない。
普段ならナイと言えるけど、この場ではそうも言えないじゃない?
[ どうしても3万円いるんだ
何でもします
どうか助けて下さい ]
[ ねえ、サワちゃん
やめてよ!…ねえったら ]
[ じゃあ、俺を買ってください
何でもします ]
[ あんた買ってどうするのよっ!
こっちがもらわなきゃ… ]
とっさにセックスに結びつけた自分が恥ずかしい…
私は仕方ないから3万円渡してやったわけよ。
だって…他にどうしようもないじゃない?
もう、全部あげてもいいからこの場から走って逃げ出したいくらいだった。
そんな気はないけど…
[ 必ずお返しします
チーちゃんの髪…
俺が切ってあげようか?
もちろん、これとは別にだよ ]
[ もう…いいから行きなさいよ
忙しいんでしょ? ]
私は泣きそうだった。
何だろうね?
私は別にね…お金をあげたって、昨日の微々たる負けをさっ引いてもまだまだ余りあるわよ。
でも…サワちゃん
あんな人じゃなかったと思う…