白銀のたまご〜パチプロチーコの生活3-13
[ でさぁ…サワちゃんはそっちにいた? ]
実はこれが本題だったのよ。
[ サワちゃん?…
さぁね朝、会ってサーカスなんか打ってたみたいだけど…
気が遠くなるよなハネ台なんてさ…
そりゃあ…投入金額は抑えられるけど、一日中打ってもうまくいって2万はキツいよな…
あっちにはいないみたいだったけど… ]
[ そう… ]
サワちゃんの事を思い出すとまた気が滅入る思いがした。
お金持ってなかったんだ…
数千円…わずかな資金を持って手堅い台を打つ。
手堅いと言って容易なわけでもないし、縦しんば漕ぎ着けたところで大勝ちって事は、まずあり得ない。
もちろん、それが悪いとは言えないわよ。
それだってパチンコを楽しむに変わりはない事よ。
シンちゃんは昔のプロはみんなそうだったと言ってた。
でも、今はそんな台ではよほどでなきゃ食べてもいけない…
少なくともプロが打つ台とは私は思えない。
でも分かる…
シンちゃんに会った頃の私がそうだったのだから…
食事を済ますと私はシゲルに顔を寄せて、かなり恥ずかしかったけど囁いた。
[ ところでさぁ…
昨日のヤツまだ持ってる? ]
[ 昨日のってアレ? ]
[ そう…アレよ ]
何で私がこんなに恥ずかしい思いをしなきゃならないのよ…
私は勝ったし、サワちゃんも助けてあげたじゃない。
シゲルにも悪いと思って優しくしてやってるじゃないの…