白銀のたまご〜パチプロチーコの生活3-12
[ ねぇ…いくらヤられたの? ]
[ ん〜っ…20は抜かれたな ]
[ ひえぇ〜っ! ]
普段ならそれでもプロか?って、また掴みかかってるとこだけど今日の私は傷ついてるせいか、妙に寛容だったの。
[ 昨日って…いくら勝ったのよ? ]
[ 半分…ぐらいかな? ]
20万の半分?…
シゲルが20万といば、もっと負けてるはずだと思った。
10万ぐらい勝ったからって、宝くじでも当てたみたいにはしゃぎ回してこの男はまったく…
シゲルはそこまで自白すると、ベッドの上にゴロンと横たわってしまった。
ヤダっ…そこは…
私が負けて落ち込んだ時…
シゲルは何かと気遣ってくれる。
なのにシゲルがヘコむと私はすぐ腹を立てて、その不甲斐なさに噛みついている。
[ ねえ…何か食べる? ]
[ ん?…いらない ]
[ 何か食べようよ
トーストと玉子焼いてあげようか? ]
不審に思ったのかな?
へんな顔して私を見上げた。
このボンビー1号めが…
とにかく、夕食の朝食を作りに私はキッチンに立った。
それから久しぶりに二人で食事した。
[ ねぇ、シンちゃんいた? ]
[ ん?…あの人はもう打ってないよ ]
[ えっ?… ]
[ 知らなかったのか?
今はウチコを使っていて、自分では打たないよ ]
[ なに?…ウチコって? ]
[ さすがだよなぁ…
ウチコっていうのは人を雇ってマークした台を全部占領するんだ
もう、かなり前からそうしてるみたいだし、こっちにもシンちゃんのウチコがいるよ ]
…えぇっ!?
その手があったか…
たしかに腕のいい人を雇って、一日いくらいくらって決めておけば、1ヶ月で数百万だって稼げる…
この前だって、その社員を見に来たに違いない。