運命の人-1
「せ…先生?…んんっ?」
何だか先生の様子がおかしい。
あれ?!
先生の体…熱いんじゃない?!
「せ…先生?スゴイ熱が出てきてる!すぐに横にならなくちゃ…」
私は、先生の体から伝わってくる、尋常じゃない熱の発散に気が動転した!
先生は『うん、うん』と、力なく頷くだけで、私にもたれかかったまま動かない。
私は一瞬どうしたらいいのか、頭が真っ白になったけど、とにかくベッドに寝かせなければ…と思いたち、先生に声を掛けた。
「先生っ、とりあえずベッドに行こっ!」
先生はもう、私に返事を返せる状態じゃなかった。
私はやっとのことで、先生の体を支えながら、ベッドまで付き添った。
ベッドに横になった先生は、高熱の為に顔が赤く上気し、口からはハァハァ…と苦しそうな熱い息を吐いている。
私は急いでキッチンに行き、氷水の支度をした。
「先生っ、ちょっと冷たいよ…」
そっとおでこにのせた冷たいタオルに、先生は一瞬ビクンッと身震いをしたあと、しばらくの間は、苦しそうにウンウン…と唸っていた。
よっぽどの高熱なのだろう…私の指先が痺れる程、氷水でキンキンに冷えたタオルが、先生のおでこの上で、あっという間に蒸しタオルになってしまう。