運命の人-8
もう、私ってばかなり子供扱いされてる―――!
悔しいよ〜〜〜!!
先生は、拗ねた私の頭を抱え、胸に抱き寄せるとこう言った。
『由里子…この先の俺達のことはさ、俺、ちゃんと考えるから。ちょっとだけ待ってよ!』
―――と。
「いつまで待つの?」
私はそう聞かずにはいられなかった。
やっとこうして先生と向き合い、気持ちを通じ合うことが出来たのに、またこの先に何かが起きたら―――
そう考えると、私の頭の中は不安ばかりが膨らんでしまう。
『由里子、俺もう迷わないよ!だから俺を信じて!』
「でも私…怖いよ…」
『大丈夫。俺、由里子を大切にしたいって気持ちは、初めて由里子にキスした日から変わってないし、ずっと今もここにある』
先生は、憎らしいほど眩しく素敵な眼差しを私に向けると、自分のこぶしを胸にあてて見せた。
そして、こう言葉を続けた。
『由里子は運命って信じる?』
「運命?」
『あぁ…運命。俺はね、由里子とのこと、正直もう諦めかけてた。神木のことや、留学のこともあったし、俺の一方的な気持ちだけで、由里子を振り回すことはもうやめようって…』
「先生?!…私はずっと先生のことがスキだった!」
『うん。そうだったんだな。由里子が俺をずっと待っててくれたこと、俺ずっと気付けなくてごめんなっ。どんだけ鈍感なんだ…って、自分で情けなくなるけど、由里子が今日ここに来てくれて、やっと分かったんだ』