運命の人-7
先生の唇の動きは、止まることなく私を包み込み、私の体温をゆっくりと上昇させていく。
そして、先生の舌が私の口腔内へと迎えにくると、待っていた私の舌を絡め取り、優しく吸い取った。
先生とのキスに、私の熱い吐息が洩れそうになった時だった…
え?
ふいに、先生の唇が私から離された。
「どうしたの?」
私の不安そうな顔を、先生は優しい笑顔で見つめながらこう言った。
『本当は、由里子ともっと先に進みたい。だけど、今は止めとくな…』
「…なんで?」
『俺達やっとここまで辿り着けたから…』
「…着けたから?」
『こうやって、焦って流れに身を任せてしまいたくない…』
「―――私、覚悟したのに…」
『何だよ覚悟って…俺、由里子のこと、ちゃんと気持ちよくしてやるから心配すんなっ!』
「イヤだもう、先生のバカ…そんな意味じゃないよぉ」
『ははっ、由里子冗談だってば!!』
先生は、ニヤニヤ笑いながらそう言った。
私は一瞬にして、カ―ッと顔が赤くなるのを感じた。
『お前って、ホント可愛いな!』
先生は私の頭の上に手を乗せると、私の髪をクシャクシャにして、おかしそうにクスクスと笑っていた。