運命の人-5
『由里子は、俺のところに戻ってきてくれたの?』
先生はそう言葉を続けた。
「うん。私ね、やっぱり先生のとこがいい…」
先生は私の背中をさすりながら、そっと私の髪にくちづけしこう言った。
『それじゃあ、もう…俺のそばにずっと居ろ…』
「うん、先生のそばに…ずっと居させてね…」
私は嬉しいやら恥ずかしいやらで、どうにかなってしまいそうだった。
だから、とっさに先生の胸に顔をうずめた。
あぁ―――懐かしい先生の匂い。
香水に汗の匂いが混じって、ドキドキするような鼻をくすぐる匂いがした。
私が目を閉じて、先生の匂いに酔わされている…その時だった―――!!
『由里子愛してる…』
ふいに先生の口から出た…“愛してる”の言葉…
―――それは、私がずっとずっと先生の口から聞きたかった言葉だった!
「私も先生を愛してる…」
そして、これはずっとずっーと、私が先生に言いたかった言葉。
やっと言えたんだ!
先生は私に、とびきり優しい微笑みをくれた。