未少年 2-7
「…ねぇ、あん」
「ん?どしたの?」
「おなかすいたよ」
「えっ!?あっ…そうだ…私も夕飯食べてなかったわ…。んーちょろっと作るかー。きよみょ、嫌いな食べ物ある?」
「……きのこと……にんじんってきいたことあるよ」
「ははっ、ほんと子供だなー…。よし、じゃあちょっと待っててね。あ、音楽流そうか。私あんまりテレビ見ないからさ〜」
「うん」
〜♪
「グランジなんて女らしくないかもだけど好きなんだよね。我慢してちょーだいな」
「…SOUNDGARDENの“4th of July”だね…」
…えっ?
キッチンから振り向くと、いつの間にかきよみょはスピーカーに体を向けて固まっている…。
「…ねぇ、きよみょ…あの…今さ、この曲のアーティストとタイトル言ったよね…?」
「…ん?あー。くちからでてきたの。たぶんすきだったよ」
「…そっかぁ…」
花木潔人の一部を見た気がする…。
私と同じような趣味だったのかな?
とまぁそんなことよりも…これからどうしよう…。
あと…全く見ず知らずの、しかも記憶が無い子供みたいな男といきなり同居するってのに…こんなにすんなり受け入れられたのは何故?
思いの外すごい冷静な自分が私自身すごい謎…。
そもそももっと疑ったり危険視したっておかしくないのに。