未少年 2-3
………………
「はい、どうぞ。コーヒー」
「…ありがとう」
おっ、ちゃんとお礼言えんじゃん。
意外…。
「……あぅ…にがいよ…」
「コーヒーなんだから当たり前じゃん。あ、もしかして砂糖とかミルク必要な人?」
「……でもぼくはこれがすきだったってきいたから、これがいい…」
「あぁ…そう…」
“好きだった”って“聞いた”?
どういうこと?
なんで他人事なの?
「…えーっと、で、あなた名前なんてーの?」
「…なまえ……あ、きよみょ…」
「…きよみ…よ?」
「……そうだよ。ぼくをきよみょってよぶひとがいるから」
「あー…そう。変わった名前してんねー。で、なんであんなとこいたわけ?そもそも歩きじゃないよね?電車?」
「…びょういん……あそこいや。いろんなひといてぼくをみるから」
…答えになってねー…。
「じゃ、じゃあさ、なんで泣いてたわけ?」
「……みちわからなくなってひとりだったから…」
迷子になって泣くって…。
ほんと子供みたいなんだけど…。