未少年 2-2
「ねぇ、ちょっと!あの…雨強くなってきたからさ!私の家すぐそこだし一旦そこで話そう!」
「……あめ…」
「…もう!」
とりあえず話にならないから彼の手を引いて家へ来たけど…。
濡れた服のまま立ち尽くして、周りを珍しげに眺めてはぼーっとして眺めてはぼーっとしての繰り返し…。
一言も話さないし…。
「ねぇ、サンダル脱いで、ちょっとそこ座りなよ。立ってる必要ないでしょ?」
「…すわる…」
「…そう。あとこれタオル。髪濡れてるから拭いて。あとこれジャージ。元カレのなんだけど…多分着れるだろうから着替えな?そのままだと風邪ひいちゃうから」
「……きがえるってしってるよ。これになるんだよね」
「はっ?あ、うん…って、ちょっと…!」
普通いきなり脱ぎ出す…?
目の前に女の私いるってのに…。
って…刺青…。
「ねぇ、あんた…タトゥー…凄いね…」
「…ん…このえのこと?うん。すき」
「このえ…あぁ、絵ね。ははは…」
やっぱちょっと意味分かんないってか…おかしくない?
でも…まぁとりあえず私もトイレで部屋着に着替えて。
あ、寒いしコーヒー飲むかー。
あいつも…飲むのかな?
「おーい、コーヒー飲む?」
「……こーひー…のむ」
「あぁ…そう。あ、その白衣貸して。びしょびしょだから洗濯したげるよ」
「…ん?」
「そうそれ。はい、どうも。…あっ」
病院の名前書いてあんじゃん。
××病院って聞いたことあるなー。
確か結構デカい病院だよね。
って、ここからは遠かったはずだけど…。
まぁいいや。とりあえず洗濯機回すか…