投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

……タイッ!?
【学園物 官能小説】

……タイッ!?の最初へ ……タイッ!? 177 ……タイッ!? 179 ……タイッ!?の最後へ

……タイッ!? 最終話「告白しタイッ!?」-25

「保健室でここみて、あそこ見て、あん、いや、なめちゃだめ。綾さんのここ、気持ちいいよぉ〜……なんてさ。もう、思い出しただけでも恥ずかしいわ」
「まさか、あー、もう、これも全部紀夫のせいだー!」

 自分から誘ったことも忘れて空に向かって叫ぶ綾。そのまま倒れそうになりながら、グーをあげる。

「けどね。綾が前みたいになってよかったよ。うん。だって、やっぱりこうして楽しいほうがいいじゃない?」
「良くないですよ! だって先輩までライバルですよ? そんでなくとも他にいるのにぃ〜」
「ライバルか……。ふふ、そうね。笑い事じゃないかも。うん、負けないから!」
「こっちだって!」

 にっこり笑い合い、勝負の宣言をする二人は互いに握手を交わし、もう一度祭囃子に溶け込んでいった。
 その裏ではどす黒いしみのように蹲り、根をはりかける里美の姿があったのだが……。

*―*

 ――綾と先輩? エッチしてる? どこでよ? 合宿中ですって? それって私と……する前? ウソ……。アイツ、誰でもいいの?

 店員に疎まれ始めたころ、ようやく立ち上がった里美はふらふらと石段を上がっていた。
 遠くに聞こえる盆踊りの曲もまったく耳に入らない。走る子供に何度ぶつかりそうになったのか。石段をなんども蹴躓き、裾に誇りがついてしまう。

「それで、先輩はどうしたんです?」
「うん、彼は多分私に同情してたんだと思うの」

 それでも知り合いの声には敏感に反応してしまう。
 一人で居たくない。けれど綾と顔を合わせるのが嫌だ。
 せっかく芽生えた恋を自ら踏みにじられにいくようなもの。雑草は踏まれるためにあるのではないのだから。

「理恵……」
「でも彼は抱いてくれたの。紀夫君ってすごく優しいのね」
「そう? ノリチンって乱暴だと思うけど」

 声を飲み込み、茂みに身を潜める。
 このまま帰ればよいのに、それなのにどうしても会話の続きが気になる。
 今は踏まれるとき、そう考えたから。

「紀夫君って乱暴なの?」
「うん、だって理恵としたときなんてあたしのお尻つかんでねじ込むみたいにするんだもん」
「もしかして後背位って奴かな?」
「うん。ノリチン、あたしとするときいつもそうだよ」
「へぇ、なんかすごそう。ねぇ、理恵さんのお尻ちょっとだけ触らせてもらっていい?」
「いいよ」

 そわそわと口元に手を当てて後輩の下半身を見つめるキャプテン。
 おもむろに手を伸ばし、円を描くようになで、たまに揉むようにする。

「んぅ、ふうん、へぇ……なんかわかるかも」
「そうですかぁ?」
「うん、だって理恵さんのお尻、柔らかいけど弾力あって、大きいのに形いいからさ、へぇー」

 感心したようすの久恵はまさぐるように擦り、何度もうんうんと頷いていた。

「キャプテンはどんな風だったの?」
「えと、なんか余裕を見せ付けられたって感じかな。なんか聞くところによると結構遊んでるみたいだもんね。紀夫君」
「うん。理恵、そこが不満」
「あはは、でも、私はそれでも一緒にいてほしいな」
「キャプテンは平気なの?」
「んーん、でも、一人でいるのと比べればずっと、うん、多分、信じられる誰かがいるっていうのが嬉しいんだと思うの」

 自分の言葉に頷きながらしゃべる久恵と首をかしげる理恵。それを物陰から覗き見る里美には、その言葉が重くのしかかり、かつ突き刺さった。

 ――私は一人で、しかも、紀夫のこと、信じられないよ……。

 草が夜露で浴衣を染め始めたころ、里美はそれ以上湿っぽくならないようにその場を去った。
 後ろではまだ二人が同じオトコとの体験談で盛り上がっているのにもかかわらず……。


……タイッ!?の最初へ ……タイッ!? 177 ……タイッ!? 179 ……タイッ!?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前