想い溢れて-6
先生は、ジャージの上下にサンダル履きの、ラフな格好で、こっちに向かって歩いてくる。
手にはコンビニ袋をぶら下げていた。
あぁ…コンビニ行ってたんだ。
どおりで待ってても返事がない訳だ…
くだけた私服姿の佐々先生…初めて見たかもっ。
体調が悪いせいか…少しやつれてはいるけど、やっぱりカッコイイっ!!
―――なんて、のんきに見とれてたら、いきなりグイッと腕をねじり上げられて…
「痛っ―――!!」
『由里子…授業は?』
先生に、厳しい口調で問い詰められた!
「―――心配で、早退して来ちゃったんだよ…」
『ハァ…』
先生はため息をつき、腕を離すと、黙って私の横をすり抜けた。
………え?
喜んでくれないの?
私が来たこと…
そんなに迷惑だった?
先生の、予想外に冷たい態度に、私の目からはフワ〜ッ…と涙が溢れてきた。
先生は、ポケットからジャラジャラと鍵の束を取り出すと、ガチャガチャ…と乱暴に部屋のドアを開けた。