想い溢れて-3
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私は放課後、授業中に出せなかった数学のノートを出しに、職員室に寄った時のこと―――
確か…あの時、先生頭痛いって鎮痛剤を飲んでたっけ?
私が「大丈夫?」って聞いたら、『お前も移るから早く帰った方がいいぞっ!!』って笑ってたけど…
今思えば、何だか顔色も冴えなかった気がする。
先生…大丈夫かなぁ?
学校を休む…って、よっぽどのことだよね!
心配だなぁ…
先生のお見舞い行きたいなぁ…
先生の家は、学校から3つ目の駅を降りて、直線の長い坂を上がりきったところにある、2階建てのアパート。
1人暮らしをしている先生のことを考え始めたら、私はすぐにでも駆け付けたい気持ちになってしまった。
1、2時間目の授業中、ソワソワとして落ち着かなかない気持ちのまま、何とかやり過ごした。
もちろん授業の内容なんて、ちっとも頭に入らなくて…
中休みに入ると、朝からのソワソワが、私の胸の中でザワザワへと変わっていった。
いつもなら楽しいはずの、ちなみとのおしゃべりにも熱が入らずうわの空で…
「ちなみ、私熱っぽいみたい…保健室行ってくるね」
『由里子…付き合おうか?』
「平気平気…たいしたことはないんだ!」