祐介の決心-2
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ある日の学校からの帰り道、俺は由里子に別れ話を切り出した。
『由里子…俺達そろそろ終わりにしよっか!』
俺は暗い雰囲気になるのがイヤで、努めて明るい声でそう言った。
「え?佑介どうしたの急に…」
『俺はさぁ…この先も由里子のことキライにはなれないし、ここで別れたら絶対に後悔するって分かってる。だけどね、もう俺達友達には戻れないから、一緒にいるのは今日で終わりにしよう!』
「佑介―――」
由里子の瞳に、みるみるうちに涙が溢れていく。
『由里子泣かないで…』
由里子の涙なんか見たら、俺だって泣きたくなる…
俺は、すぐにでも今の言葉を取り消して、由里子を抱きしめ、この腕の中に永遠に閉じ込めてしまいたかった。
ホントは由里子を佐々になんか渡したくないし、これからだってずっとずっと、俺だけの由里子でいて欲しい。
いつかの由里子が、俺の胸にその愛しい体を預けてくれたように、もう1度あの奇跡が…今ここで起こってくれたなら―――
そう願ったけど、俺を見上げた由里子の瞳が、もうアイツの元へと、飛び立つ準備を始めているような気がして…
俺は精一杯の笑顔を由里子に見せた!!
「私、佑介に彼女らしいこと、何もしてあげられなかった気がする。いつもいつも佑介を頼ってばかりで、たくさん迷惑掛けちゃった。ごめんね佑介―――」
『そんなことねぇよ!!俺は由里子がそばに居るだけで、ホントにただそれだけで―――毎日バカみたいに幸せだったんだから!!』
俺はこみ上げた照れ臭さを隠すために、つい乱暴な口調になった。
そんな俺を見て、なぜだか由里子はクスッ…と小さく笑った。