揺れる想い-9
♯♯♯
『由里子…泣かなくていい。泣き止むまでこうしててあげるから…』
佑介は、泣きじゃくる私を屋上に続く階段の踊り場へと連れ出し、大きな胸にそっと抱いてくれた。
「ごめんね佑介…ごめん」
『いいよ由里子…謝らなくていい!』
「不安なの…佑介のそばに居ないと…私…あの人に…心を奪われてしまいそうで…」
『分かった。由里子が必要なら、俺はいつだって由里子のそばにいるよ。だからもう泣かないで。アイツのことを想って泣く由里子を見るのは、俺だってツライんだ…』
「佑介?」
見上げた佑介の瞳が、涙で潤んで、哀しげに光っていた。
あの日教室で起きたこと
―9ヵ月の軌跡― O
「揺れる想い」―完―