揺れる想い-2
私は佑介の家に行く度に、いつも素敵だなぁ…って思ってた。
てっきり、佑介のママの趣味で揃えられた物だと思っていたけど、パパのお仕事関係のインテリアだったんだね。
『それでさ、最近は兄貴も親父の会社を手伝ってるんだよ』
「あれ?お兄さんって、外資系の証券会社に勤めてるんじゃなかったっけ?」
『そうだったんだけど―――実態の掴めない数字を追い掛ける毎日に疑問を感じ続けてた…とかで、3年働いたあとあっさり辞めちゃってさ!』
「そうなんだ…」
『うん。でも兄貴は語学に長けてるからさぁ、今は親父に重宝がられてて、すっかり片腕として期待されてるよ。それに兄貴はファザコンの気があるからな…、親父の手伝いするのはまんざらでもないみたい』
「もしかして…佑介の方はマザコンとか?!」
『まさかっ、それはありえないよ〜!俺は結婚したら、絶〜対奥さんの味方するタイプだし、かなり尽くす方だと思うけどぉ?!』
「あはっ…何よそれっ!」
『そういう俺ってダメ?』
佑介は甘えるようにそう言うと、突然うしろから私の肩先におおいかぶさってきた。
背中に感じる佑介のぬくもりが心地いい。
佑介と長い時間一緒に過ごすうちに、こうしてそばに居て、肌を触れ合わせることが、とても自然な行為に感じられるようになっていた。
でもここは学校だから、これ以上はまずい。
特に最近の佑介は、暴走すると手が付けられない程Hになるから…
身を任せたくなる自分を抑え、私は佑介を制止した。