投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ヒミツの伝説
【学園物 官能小説】

ヒミツの伝説の最初へ ヒミツの伝説 11 ヒミツの伝説 13 ヒミツの伝説の最後へ

ヒミツの伝説-12

第4章

 夕食を終えた宮内がテレビの野球中継を見ていると、玄関のチャイムが鳴った。
「ハイハイ、どなた?」
 そう言いながらドアを開く。そこに立っていたのは、笹野奈月だった。さっきまで泣いていたらしく、目が真っ赤になっている 
「私、もう、弘志君に協力するの、やめます!」
 そう言った途端、彼女はまた泣き出した。
「どうしたんだ、いきなり」
 おろおろしながら、宮内は奈月を部屋の中に招いた。

「はい、弘志君はダイエット・コークよね」
 練習を追えた弘志に、美穂がニッコリと微笑んでドリンクを渡した。彼女は野球部のマネージャーだが、このところ、他の選手が羨むほどに、甲斐甲斐しく弘志の世話をしている。弘志の方も満更ではなさそうな表情だ。
 別に美穂に乗り換えたつもりなどなく、奈月のことも気になるが、可愛い女の子に世話を焼かれて嫌なわけはない。弘志はしまりのない顔でニヤニヤ笑っていた。
「おい、向阪」
 美穂が他の選手の所に行ったのを見計らって、宮内が弘志に声をかけた。
「笹野はどうしたんだ」
「いえ、あの…」
 弘志が口ごもった。例の一件以来、電話にも出てくれず、メールの返信もない。もちろん、顔を合わせても、プイと横を向いて行ってしまう。
 積極的な美穂のアタックに流されたようになっているのも、半ば、そうした奈月に対する当てつけであった。
「喧嘩したんだろ」
「喧嘩ってわけじゃないんですけど…」
「それで、どうするんだ」
 宮内が表情を厳しくして問いかけた。
「は?」
「伝説だよ…」
「ええ…」
 弘志が目を伏せた。奈月との関係がギクシャクしている今、あの『伝説』の話など、何億光年も彼方にいってしまった気がする。
「…やめちゃダメですか…」
 顔色を窺うように尋ねる弘志に、宮内が断固として答えた。
「駄目だ!」
 自らの経験を通して、宮内は『伝説』を堅く信じている。そんな彼が言おうとしていることもわかっていた。弘志は相変わらずスランプを脱してはいないのだ。
「別に、笹野でなくても、構わんぞ…」
 そう言って、宮内は美穂をチラリと見た。

 そして、試合の前日がやってきた。
「よーし、練習はこれぐらいにして、みんな部室に集まってくれ!」
 宮内の声がグラウンドに響いた。
「いよいよ明日は地区大会の初戦だ」
 そう言うと、宮内は試合に向けた心構えを説いていく。
「最後に、聞いてもらいたいことがある」
 宮内が部員を見渡して言った。
「お前たちは、萬高野球部の伝説について、知っているか?」
 宮内はそう切り出して、「ヒミツの伝説」について語り始めた。
 「伝説」に縋った選手として、プロ野球や社会人リーグで活躍した先輩の名前が出るのを半信半疑で聞いていた部員たちだったが、話が宮内自身の経験に及ぶと、驚きの表情を浮かべて話に聞き入った。
「…そこで、スランプに陥った弘志を救うために、佐々木が決意してくれた」
 そう言うと、宮内は美穂を呼び寄せた。緊張した面持ちで美穂がやってくる。
「さあ、下着をとって…」
 美穂は、一瞬困惑の色を浮かべたが、それでも黙って従った。スカートの中に手を入れ。パンティに手を掛ける。捲れ上がるスカートから覗く太腿に、部員たちの視線が集中する。視線を感じたのか、美穂の頬が赤くなった。
「さあ、ここに座りなさい」
 宮内が部室に置いてある机を指さし、その上に美穂を三角座りで座らせた。美穂はノーパンの中が見えないよう、脚をギュッと閉じ、スカートを手で押さえてカバーしている。


ヒミツの伝説の最初へ ヒミツの伝説 11 ヒミツの伝説 13 ヒミツの伝説の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前