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想-white&black-
【女性向け 官能小説】

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想-white&black-J-4

「あ……、やめ……っ」

くすぐったいような、痺れるようなその感覚が私の身体を呼び起こそうとしている。

あの人に刻みつけられた、あの感覚。

敏感になった身体は、私の思考を奪っていく。

漏れる息も身体も熱く、言葉では説明できないあの感覚と快楽。

それを望もうとしている自分は、やはりどこかおかしくなってしまったのかもしれない。
「ひゃっ……う」

麻斗さんの手は脇腹をつっと上へなぞり、下着のラインにたどり着くとホックをいとも簡単に外してしまった。

締め付けられていた感覚から解放されると同時に不安が広がる。

「このままもう一周……、いやずっとこうして二人っきりで誰の目にも触れない所で閉じ込めてしまいたい」

「あ、あ……」

そんな熱っぽい囁きを口にされ、何も返す言葉が見つからない。

肌の上を優しく、時に艶めかしく滑る指に息が弾み出す。

「可愛い。本当に可愛いよ」

「あ、麻斗さ……」

隠すことなく思ったことを口にする麻斗さんに恥ずかしさと嬉しさを感じながら、だが余計にあの人との違いをより実感してしまう。

同じように恵まれた環境で生まれ育ち、誰もが目を惹きつけられるほどの容姿なのにどうしてこうも違うのだろうか。

耳元で囁く言葉も見つめる瞳の温度も優しさも違う。

触れる手の体温が、首筋をなぞる舌の感触が、熱く重なる唇が……。

「花音……」

麻斗さんは一瞬切なげに眉を寄せた後、もう何度目か分からない深いキスをしながら片手で胸の膨らみをそっと包み込むように触れてきた。

「ふぁ……っ」

逃れようにも観覧車という狭い空間の中、体格のいい麻斗さんがしっかりと私を抱き寄せているためかなわない。

このままいけば溺れてしまうかもしれない、それほど甘い苦しみに浸かりそうになった時、突然観覧車が動きを止め叩きつけられるような激しい音と共に扉が開かれた。

そして、開けられた扉の先にいたのは……。

「……楓、さん」

「何て様だ」

昏く冷ややかな視線を私達に向けながら吐き捨てた。

「毎日毎日、いなくなったと分かってすぐ探したよ。まさかこの俺から逃げようとするなんて思いもしなかったがな、花音」

そう言って楓さんはその綺麗な顔を歪めて笑みを浮かべているが、鋭い双眸は冷たいままだ。

三人の間に張りつめた空気が流れていたが、それを先に破ったのは麻斗さんだった。


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