エリザベスシリーズ・ファイナル-3
「ソンナニ、畏マラナイデ、ジャック」
「でも貴女は、あちらではVIPですよ?」
スザンヌの言葉に、エリザベスは言う。
「ドンナニ、高イ身分デアロウト、私ハ私。
ソレヨリモ」
エリザベスはキディを取り上げ、頬ずりをし始めた。
更にギュッと抱き締める。
エリザベスの全身から金色の光が放たれ、キディの小さな体を包み込むのをジャックやスザンヌは目の当たりした。
キディは段々と泣くのをやめ、エリザベスの体に身を寄せる。
「ミャミャー、ミャミャー」と穏やかな顔。
「まあ、泣き止んだわ」
「すげー」
スザンヌもジャックも、表情が明るくなった。
ジャックはキディの安堵な表情を見て、ふと考えた。
エリザベスなら…
「キディヲ、私ニ、クレナイカシラ?」
「里親になってくれるのかな? オレ、それを思いついたんだけど」
「キディヲ、前々カラ、欲シカッタ」
「だったら丁度、イイ」
こうして、キディはエリザベスの子供になった。
ボックル会長立ち会いの元、里親資格の手続きが行われ、2人は正式な親子である。
エリザベスが列車で帰国の途に着いた。
勿論、キディも一緒である。
キディは新しい衣装に着替えていた。
可愛いドレスに可愛い花飾り。
エリザベスママと同じ衣装なのだ。
「ミャミャーッ!」
新しいママにキディの表情は明るい。
優しいエリザベスママに抱かれて大満足。
ミーヤーァ♪
嬉しそうに、オッパイを吸っている。
初めて、母乳を飲んでいるのだ。
美味しそうに、母乳をゴクゴク飲むキディ。
死んだレレと同じように、赤ちゃんみたいな性格である証だろう。
「私ノ、可愛イ、宝物」
念願叶って、キディを手に入れてエリザベスも表情は明るい。