メルファ・人形残酷(?)物語4-4
「ウーアーンアーンッ!!」と、メルファは泣き出して逃げて行った。
冷酷な割には、自分が殴られたり叩かれたりすると、すぐ泣いちゃう。
変わった人形である。
その後…
メルファは警察に逮捕され、身柄を人形協会に移送された。
マルシアは背中を十数ヶ所も刺され、搬送先の病院で亡くなった。
それから3日後して…
ボックル会長立ち会いの元で、人形裁判が行われた。
メルファはレレやマルシアの殺害、キディへの虐待行為を認めようとはしなかった。
全てはジャックや一部の子供たちが殺ったと、決め付けるばかりだ。
相変わらずの無責任な態度のメルファ。
だが、言い逃れは出来ないだろう。
ジャックやルーシー、スザンヌやガーレッドなどの証人がいるのだ。
メルファの今までの生活状況が4人から報告される。
そして更に…
「エリザベス様、お入り下さいませ!」
裁判長が名前を呼ぶと、会場がざわめいた。
「エリザベス…!?」
メルファは急に表情をこわばらせた。
震えるメルファ。
そのワケは…
ドアが開いて、スーツ姿の若い女性人形たちが入って来た。
彼女たちにエスコートされながら、1人の背の高い若い女性人形がゆっくりと入って来る。
ドレス風の衣装がよく似合う美しい女性だ。
驚いた事に、顔形がメルファとソックリ。
メルファとの違いは、どこか上品で、暖かい雰囲気が感じられる事だろうか?
エリザベスと名乗る女性人形は裁判長やボックル会長に深々と頭を下げた。
礼儀正しい姿がとても様になっている。
スザンヌがエリザベスの所へ行って、証人席まで案内した。
メルファの様子に目を向けると…
落ち着かない表情で下を向いたまま。
何故か、エリザベスの顔を見ようともしない。
裁判長はエリザベスに質問をした。