メルファ・人形残酷(?)物語4-2
「ミャハハハハハッ!」
子供たちは笑いながら、慌ててキッチンの中へと駆け込んだ。
キッチンでは、マルシアが人形たちを待ち構えていた。
部屋の中に駆け込んだメルファは、マルシアと目が合って驚愕!
慌てた弾みで傍の椅子につまずいてしまう。
「デ、出カケテイタンジャナカッタノッ!?」
メルファの問いに、マルシアは鬼のような目で答える。
「どこに行こうと、私の勝手でしょう?」
「…」
「ところでメルファ…」
マルシアがキディを抱き上げると、6人の子供たちはマルシアの足下に寄り添った。
「…キディをどこへ連れて行くのかしら?」
「ドコデモ、イイデショウ?」
「質問にはちゃんと、答えなさい」
「何ヨ?」
「どこかへ捨てに行くんじゃないの?」
「…」
「その様子じゃあ、本気みたいね?」
「子供ヲドウシヨウト、勝手デショウ?」
「それはそうネェ。でも…」
メルファはマルシアの言葉を遮るようにして言った。
「私ハ、可愛イ子供タチノ母親ナノヨ」
「その母親が…」
キディの体からロープが解かれた。
まだキディは、意識を失ったままだった。
それにしても、キディの小さな体が傷だらけだ事。
頭の髪の毛は全て失って、丸坊主状態である。
「…どうして、自分の子供を虐待するの?」
「虐待ナンカ、シテイナイワ」
「じゃあ!(キディを目の前に掲げながら)
キディの、この体はなーにッ!? 体中傷だらけで、ロープで縛られていたじゃない!」
「ソレハ、ジャックノ、クソ野郎ノ仕業ヨ!」
マルシアは怒りを抑えながら、言葉を続ける。
「アナタはそうやって、何でも彼のせいにするのネェ?」
「事実ヲ言ッタマデヨ」
呆れ顔のマルシア。
こりゃあ、ダメだ。
メルファは自分の非を認めようとはしない。