双子の姉妹。 1-7
「あらあら、俊哉くん、彼女できたの?」
そこでおばさんも話に加わる。
「いや、できてないですよ」
まあ、第一候補になる可能性は十分にある、とだけは心の中で言わせてもらいましょう。
「よかった。俊哉くんは麻琴か琴音と結婚してもらわないと」
「へ?」
「え?」
俺と麻琴は同時に間抜けな声を出す。
琴音は平然と菓子を食べている。
「そして婿養子になってもらうの。そうなったら最高だわ」
おばさんはニコニコと笑う。
本気で言っているのだろう。
「だっ!誰が俊哉なんかとっ!」
もう麻琴の顔は見てられないほど真っ赤だ。
「俊哉くんはこの二人じゃだめなの?」
「え、俺は…」
そんなこと、真面目に考えたことなんてない。
麻琴と琴音。
双子の姉妹。
こいつらとの恋愛なんて…
「だめじゃ…ないですね」
俺はそう答えていた。