重なり合う2人-1
コンドーム―――?
そんなのいつの間に?
『由里子…そろそろしよっか!』
佑介は外箱のフィルムを破り、コンドームを1つ取り出した。
「ねぇ、それって?!」
『ゴム?!さっきコンビニ寄ったろ?由里子が雑誌立ち読みしてる時、こっそり買っといた』
佑介は悪びれもせずにそう答えた。
「ふ〜ん…」
『何で?』
「佑介…これって想定してたことなの?」
『どうしても今日しようって、考えてた訳じゃないけどね…』
佑介は手に取ったコンドームをもてあそびながら、気まずい顔でそう言った。
佑介と2人きりの部屋に漂い始めた、明らかに不穏な空気…
さっきまでの恋人同士の雰囲気から一転し、ピ――ンと張り詰めたものが、裸のままの私達を凍らせていく。
『けど…いつかは由里子とこうしたいって、俺はずっと思ってた』
「私…やっぱり、流されてこういう風になるのイヤかも」
『由里子は今、自分が流されてる…って感じてるの?』
違うのかな…?
「分からない…」