重なり合う2人-5
「ねぇ佑介…しようよ!」
『え???』
「ねっ、ソレ使おっ!」
私は、さっきから佑介の手の上に、所在なげに乗せられているコンドームを指差しそう言った。
『由里子、別に無理しなくていいんだよっ。俺の言ったことなんて、気にすることないんだし…』
「私、無理なんかしてないし、佑介に言われたからこんなこと言ってる訳でもないよ。ただ…私が佑介とそうしたいって思ったから」
私は佑介の素直な告白に、心がユラユラと揺らいだ。
その気持ちが愛情なのかどうか、今はまだ分からない。
いつか自信を持って佑介を愛せることが出来たら、その時…きっと私達は、幸せになれるんじゃないかな?
だから、私自身がここで立ち止まって、中途半端な気持ちでいたらいけない。
それじゃあ、今も未来も、何1つ変えていくことは出来ないんだ。
一歩踏み出す為に、私は佑介に抱かれることを決めた。
佑介と体を重ね合うことが、今の私には必要で、彼を愛したいと思ったから…
心からそう思ったから…