魔性の仔Last-5
「はッ…ああ…」
内臓まで引きずり出されそうな感覚に、思わず声が漏れた。 男が耳元で囁いた。
「いい声で鳴くではないか。もっと聴かせてくれ」
男は再び腰を落とす。先ほどよりも強い振りで早紀を貫いた。
「ぐうッ!…うう…」
その時、早紀の中で何かが弾けた。
身体の中が熱くなり、快感が一気に駆け抜けた。
その変化は如実に表れ、膣内はみるみる液で満たされた。
「…ああッ!…あついッ…」
早紀の足が男の腰に絡みつく。
「ようやく効いたか…」
こうなれば逃げ出すことはない。男の腰は、先ほどまでとは打って変わって激しく早紀を責めたてる。
「…あッ!あッ!…いい…あああッ!」
男にしがみつき、大きく首を振って快感に身を委ねている。それを見ていた残りの男逹も、服を脱ぎだした。
地獄絵図。
口を膣内を、そして肛門を3人の男にいたぶられ、悦びの声をあげている早紀。
もはや人としての人格も、そこには無かった。
同時刻の那国村。
(どうなったんだ?)
「う…ん」
刈谷は目を覚ました。が、そこは、真っ暗な場所だった。
「何処なんだ、ここは…?」
ゆっくりと首を持ち上げると、後頭部に痛みを覚えた。
「くそッ…そういえば、あの墓跡でしたたかに殴られたな」
周りを見回すが、まったく夜目が利かない。仕方なく刈谷は目を閉じて感覚を研ぎ澄ます。
(昼なのか夜なのかは分からないが、暖かさを感じる。それに、土臭い、湿り気を帯びた空気のわずかな流れも…)
「ここは…地下洞なのか…」
確かめようと再び身を起こそうと身体に力を入れた。が、首から下が動かなかった。
「…な、なんだ?これはッ!」
首に筋を立て、何度も何度も身体を引き起こそうと力を入れるが、身体どころか指1本さえピクリともしなかった。
「クソッ!奴ら、オレの身体に何をしやがったッ」
馬遥遷の云った言葉。寺院裏の墓跡。鵺尊の語った事実。
そして、刈谷自身が感じていた真弥の異様さ。それらを繋ぎ合わせ、ようやく真実を掴みかけていた矢先、囚われた上に身体の自由も奪われてしまった。