究極の選択-1
―――11月
みなみ先生の死から1ヵ月が経った。
佐々先生の落ち込みようは相変わらずひどくて、私は声を掛けることも出来ないまま時間だけが過ぎていった。
その後佑介の口から、佐々先生とみなみ先生の交際が事実だったことを明かされた。
あの日、佐々先生と保健室で2人きりになった時…
みなみ先生と付き合っているのかを確かめようとした私に、先生は『少し時間をくれないか?』と言って私の質問を遮った。
佐々先生が欲しかった時間が、みなみ先生に別れを告げる為の時間だったとしたら?
みなみ先生は別れを告げられたことが引き金となり、自殺を図ったのではないのか?
もし私の想像が見当違いでなければ…
みなみ先生の死と、あの保健室での出来事は無関係ではなくなる。
だとしたら、自分が関わったことが一因となり、結果的にみなみ先生を死に追いやったのかもしれない。
近頃の私の頭の中には、そんな思いがグルグルと回っていた。
そして自己嫌悪に陥ったまま、鬱々とした気分から抜け出せない毎日が続いていた。
そんな私を支え、励ましてくれていたのは―――やっぱり佑介だった。