究極の選択-5
「それは…」
『なぁ由里子分かって!もう俺、由里子とこのままの関係が続くの苦しいんだよ…』
佑介の声…
震えてる―――
佑介のその声を聞いたら、私は急に体が震えて涙が込み上げてきた。
「私…今…自分でも…どうしていいのかわからない。でもね…佑介には…ホントに感謝してるんだよ…」
涙声になった私の肩先を掴むと、佑介はクルッと向かい合わせにした。
頬を伝った涙を見られたくなくて、うつむいた私に佑介はこう言った。
『由里子…俺は絶対にこんな風に由里子を泣かせたりはしないよ!それはこの先だってずっと変わらない…』
「うん…」
私が頷いたその時―――
まさかの事態が起きた!!
佑介はうつむく私に顔を近付けると、かがみ込むようにして首を傾け、私の唇にムギュ…と自分の唇を押し付けてきた。
「んっ?佑…ん・・ぁ…イヤ…」
佑介の唇が私の唇を下からすくいあげると、正面に向きを変え深く重なり合っていく。
あまりにも予想外の事態に、私は目をつむることも出来ないまま、拒絶のタイミングすら失ってしまった。
そうこうしているうちに佑介の腕が私の背中に回され、私の抵抗する意志を奪っていく。
離れなきゃ―――頭では分かっているのに、体は佑介の唇を拒めなかった。
そのうちゆっくりと角度を変える度に深くなる佑介の唇は、熱を帯び始め私の頭の中を痺れさせていった。