究極の選択-3
『あ?何だよ…急にあらたまっちゃってよ!』
―――今の佑介の怒ったような口調。振り向かなくてももう分かってる…
恥ずかしいときの合図…
そう…
いつもの照れ隠しだよね!
佑介の荒っぽいその声を背中に感じ、心地よい気分を味わっている時だった。
『なぁ由里子?俺さぁ、いつまで由里子を待てばいいのかな?』
「え?」
今の佑介の言葉―――
私の胸にチクッと刺さった―――!!
『由里子の中にはいつだって佐々がいてさ…そこに俺の入り込む余地はないのかなって…やっぱ考えちゃったりするわけよ…』
何度となく…
これまでにも遭遇してきた場面―――
その度に、何だかんだと自分に言い訳をして、佑介の真っすぐな気持ちから目をそらしてきた。
ズルイよね私って…
このまま佑介に寄り掛かってしまえば、楽になれることは分かってる。
今でも時々、そうしてしまおうか…って迷ってる自分もいる。
佑介はいつだって私のそばに寄り添っていてくれて、きっとこの先だって私を傷つけることはないだろう。
佐々先生との関係に悩んだ時、私の心はそんな優しい佑介へと揺れてしまう。
そう…今だって―――