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あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―
【教師 官能小説】

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みなみの反乱-5

そんなある日、彼は病院の非常階段から身を投げ、自ら命を絶ってしまった―――と言うのだ。



残されたみなみの、本当の苦しみはそこから始まった。



突然、将来を誓い合った男性が自分を1人を残し、目の前からいなくなってしまった。



事実を聞かされても、すぐに受け入れることなど出来ない。



自殺直後、遺体の損傷が激しく、みなみのショックが大きいだろうから…との理由で、みなみは彼の亡骸にも、立ち合わせては貰えなかった。



あとあと、そのことが尾を引き、その後も彼の死を受け入れることが出来ないまま、みなみは1人精神を病んでいったという。



何度か自殺未遂を繰り返し、長期間療養施設に入院していた時期もあった。



しかし除々に回復の兆しが見られた為、みなみの父親とうちの校長が知り合いだったこともあり、この春からうちの学校で仕事復帰を果たしたそうだ。



みなみは赴任以来、そんな過去の事情や暗さは一切感じさせず、普通の人以上の頑張りを見せていた。



「本当はね…頑張れば頑張るほど、虚しいの…」



みなみはそう言った。



「愛されれば愛される程、せつないし…」



―――とも。



今でも生きていくことに、さほどの意味を見いだせていないと言う。



「死ぬことで逃げよう…とか、そういうつもりはないのよ。ただね…フッと誘われる瞬間があって、そうなるともうダメなのよ…」



俺には分からない気持ちだったが、みなみの感情を押し殺すような癖は、何度か気になったことがある。



しかし、それは俺にだって往々にしてある部分で、みなみが特別だとは思わなかった。


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