みなみの反乱-3
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―――1時間程経った頃だった。
先程の看護士が長椅子に座りうつむく俺の肩に、再び手を置いた。
「幸田みなみさん病棟に移ったわ。もう大丈夫よ…」
『はぁ…そうですか』
俺はその言葉を聞いた途端、体の力が抜けてしまった―――
「あらあら…よっぽど心配だったのね」
『はい…待ってる間…生きた心地がしませんでした』
初対面の時から優しい気遣いを見せてくれたこの看護士に、俺は微笑みつい本音を洩らしていた。
俺は看護士に付き添われ、みなみが移された病室へと向かった。
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みなみは、運のいいことに大事には至らなかった。
その後された医者からの説明に寄ると、みなみは一気に大量の薬を飲んだため胃が拒絶反応を起こし、ほとんどの薬を嘔吐していたようなのだ。
みなみの口元を拭った時は、慌てていて吐しゃ物の量までは調べなかったが、実はあの時には、すでにそう言うことだったらしい。
その為、体の中に残った薬の成分が少なくて済み、今回は致死量を免れたとのことだった。
胃洗浄の処置を受けたみなみは、1時間程で意識が戻り俺と話が出来るまでになった。