秘密〜文化祭〜-3
文化祭が明日から始まるので、前日の今日は、丸一日準備デー。
部活のメンバーで、パネルを指定場所まで運び、それぞれ自分のパネルに写真を貼っていた時のこと。
みー先輩が陸先輩に聞いた。
「陸、あんた写真出来てるの?
暗室使った記録がないんだけど」
「大丈夫で〜す。
かなりイイのが出来ましたよ。
良すぎるので、明日の朝貼りま〜す」
「何それ?」
「まあ、明日を楽しみにしてて下さいよ」
そう言って陸先輩は、まぁ先輩が写真を貼るのを手伝った。
「出来てるならいいけど…
明日、忘れずに貼んなさいよ!」
「は〜い」
「それにしても、なっちゃん、えみちゃんは凄いね。
さすが保育士!」
「いや〜そんな」
みー先輩のお褒めの言葉に、私もえみも照れた。
私は猫の写真を、回りをカットしてコメントを添えて貼り付けた。
えみは、小さなクマのぬいぐるみを主人公にした物語を作った。
クマはいつも一人ぼっちで寂しかった。
でも、草花や虫たちに出会い、友達が出来たっていう内容のお話。
クマが一人で寂しそうにしている写真から、皆と仲良く楽しそうにしている写真等を順番に貼り、周りにはクマたちの台詞なんかを書いた紙を添えていた。
「私なんか、フツーだよ」
そう言うみー先輩の写真は、セピア色の風景写真。
子どもたちが楽しそうに水遊びしている写真や、おばあさんが、おじいさんの乗っている車椅子を押してる写真等があった。
どの写真も人や動物が写っているんだけど、どれも風景の一部になって、キレイに溶け込んでいた。
まぁ先輩のは、ゼミの皆が文化祭の準備をしている写真だった。
まぁ先輩のゼミはお化け屋敷をするらしく、お化けに扮した人や、何か道具を作っている人が写っていた。
どの人も皆楽しそうで、ゼミの仲の良さが伝わってきた。
陸先輩が写っている写真が数枚あった。
どの写真も、周りには女の人が3、4人写っていた。
(陸先輩、人気あるんだなあ)
陸先輩のモテぶりを知った。