祐介の挑戦-5
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養護の山口先生がいなかったので、由里子をひとまずベッドに寝かせた。
『由里子、少し着いてよっか?』
「佑介ありがとね…でも、もう大丈夫だから行って!」
『ホントに平気?』
「さすがにこれ以上は甘えられないよ!」
『そうか?じゃあ、なんかあったら遠慮なく俺んとこ来ていいからっ!』
「うん、ありがと!」
『おぅ!』
ここは由里子の主張を受け入れ、俺は保健室をあとにした。
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俺が保健室のドアを出た瞬間―――
由里子の様子を見に来た佐々と鉢合わせした。
「あ…せんせー」
『神木っ…戻んのか?』
「うん…っていうかさぁ、ちょっといい?」
俺はとっさに佐々を呼び止めていた…
電車の中で聞いた話が、ずっと引っ掛かっていたから…
この際はっきり確認する為に―――
『あ…何?』
佐々はあからさまに嫌な顔をした…