祐介の挑戦-4
―――佐々はいつも通り冷静にかわしたけど、由里子はうつむき―――明らかに動揺してんじゃん!!
俺の胸がチクチク痛んだ…
クラス内がざわめき始め、ちなみが頬づえをつきながら、ニヤニヤとこっちを見て笑っている。
お前は啓太とうまくいってていいよなっ。悩みなんかない!って顔してよ。
再び佐々の視線を感じた気がして、俺はこれ見よがしに由里子の頭に手を置いた。
そして『由里子大丈夫か?』…と由里子の顔を覗き込んだ。
佐々へのあてつけのつもりだったけど―――
覗き込んだ由里子の顔が真っ青だった…
おいおい…由里子大丈夫かよ?!
俺はみんなの視線を浴びるのも承知の上、由里子を抱き上げると、『せんせ―――やっぱ由里子保健室連れてくわ!』
そう言って教室を出た。
(わぁ―――お姫さま抱っこ!)
(佑介スゲ―――!!)
(うわぁ…ラブラブじゃんあの2人―――!)
教室からは、俺達2人をはやし立てる声が響いていた。