「僕らのゆくえ エピローグ」-2
そして、夏休み―。
「ただいま」
ほら。
階下から待ちに待った声が聞こえてくる。
きっと千比絽は少し大人びた顔をして、玄関に立っているのだろう。
私は、お気に入りの薄い空色のワンピースを翻して、足取りも軽く駆け出す。
夏は始まったばかり。
私と千比絽の夏だ。
新しい関係で過ごす夏は、きっと。
きっと、楽しいだろう。
―完―