メルファ・人形残酷(?)物語3-12
「メルファは結婚したら、子供たち連れてウチを出るみたいよ」
「どこへ行くのかが気になるわネェ?」と、スザンヌ。
「ディックが今、見つけているらしいけど」
「アイツらが移り住む先と言えば、あの場所しかないわい」
「え?」っと皆、注目。
スザンヌが質問する。
「会長、どこか心当たりでもあるのですか?」
「虹の楽園郷じゃよ」
「ああ、あそこ」
虹の楽園郷と聞いて、スザンヌもガーレットもうなずいた。
「虹の楽園郷って?」
ルーシーの質問に、スザンヌが答える。
「遥か遠い西の彼方にある土地よ。年中暖かい所で、人形たちが小さな国を形成して暮らしているの」
ボックルが説明する。
「食い物が豊富にあるからの。人間社会に頼らなくても、自分たちだけで暮らしてゆけるんじゃ」
「だったら別に、問題ないわよネェ。エルファとディックが結婚して、そこへ移住しても」
「なーに言っとる。
あの場所はのぅ、人形なら誰でも住めるってワケじゃない。純粋な心を持った人形でないとダメなんじゃ。メルファのような怠け者や、ディックのような前科者は即、×じゃのう」
「他の場所に移り住むって事もあるんじゃないの?」
「人間社会から逃れて暮らすとなれば、そこしかないんじゃがの」
つづく