メルファ・人形残酷(?)物語3-10
え?
ルーシーはふと、部屋の奥の方に目をやった。
子供たちが3人、こちらの方を見ているのだ。
しかも、1人が胸の辺りで手を左右に振っている。
まるで、違う違うって意思表示をしているような仕草だ。
更にその子は、(ルーシーから見て)右側の方をチョンチョンと指差した。
まさか!
「ドウシタノ?」
「あ、いや別に!」
大慌てのルーシー。
メルファが奥の方に振り向いた時には、3人は素早く身を隠していた。
メルファが席を外す。
キッチンに行ってクッキーを取りに行って来ると言う。
この時…
…ルーシー、そのコなら 今、お風呂場にいるわ 。見てみて…
「え?」
誰かが耳元でささやく声に、ルーシーはハッと辺りを見回す。
勿論、自分と子供たち以外は人形部屋には誰もいないハズ。
今の声はいったい
メルファが部屋を出て行ったのを確認したルーシーは、子供が指差した右側の扉に歩み寄った。
人形たち用の浴室のようだ。
子供たちが駆け寄って来た。
「ココに誰かいるの?」
ルーシーの質問に、指差した子はミャーと返事した。
カギ穴から中を覗いてみる。
「イイッ!?」
驚愕するルーシー。
急いでマイク使って、小声で連絡取り始めた。
「お風呂の中に、子供が1人…閉じ込められているわ!」
「何だと!?」
応答したのはジャックである。
マルシアやスザンヌが息を呑む。
「素っ裸のまま、浴槽の中に放り込まれているのよ! 大変だわ!」と、ルーシーは興奮気味。
「落ち着けルーシー!
その子の様子はどうなってる?」
「体をロープで縛られているの。口と目はガムテープに塞がれているし、髪の毛が抜き取られてツルツル状態だし。
体中キズだらけになっているみたい」
マルシアがジャックに話しかける。