不安に溺れて-4
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私は先生が病室から出ていったあと、無性に佑介の声が聞きたくて電話をかけた。
「もしもし佑介?」
『おぅ由里子か…まだ笑い足りないの?』
佑介の笑顔が浮かぶような明るい声に、私はホッとした。
「ごめんね…勉強中だったよね」
『そんなのいいけどさ… 由里子、電話かける相手間違ってない?』
珍しく佑介の声が私を責めた。
「えっ?」
『由里子と佐々先生が付き合ってることくらい…鈍感な俺だって気付いてるよ!』
「………」
『俺、由里子と別れた日、最後になんて言ったか覚えてる?』
「えっ…何だっけ?」
『お前なぁ…まぁいいや。特別にもう一回言ってやる! 俺は(由里子が俺のとこに戻る気になったら、無条件で受け入れてやる)って言ったはずだよ』
そうだった…
佑介と付き合って半年が経ったある日、佑介にキスをされ、その先を求められた…
でもその時の私は、パパとの汚れた関係を続けながら、佑介に体を許すことにどうしても抵抗があり、とっさに佑介を拒んだ。