不安に溺れて-3
「佐々…くん?どした?」
俺はみなみの首筋に鼻先をうずめると、自然と言葉が口をついて出た。
『みなみ…あったかい』
そう言った俺の声は、自分でも驚くほど弱々しかった。
「かわいそうに…だいぶ弱ってるんだね。一緒にいてあげようか?」
『いいのか?』
「いいよ。辛いときは1人でいたらダメ… どんどん沈んで、そのうち上がってこれなくなっちゃう」
―――みなみはまるで、自分に言い聞かせるようにそう言い、俺の背中を優しくさすってくれた。
みなみの温かみを肌に感じると、1ヵ月半前の悪夢のような出来事以来、ガチガチに凍り付いた俺の心の氷が、ゆっくりと溶けだすのを感じた。
俺はこのままみなみにすがりつき、泣いてしまいたい衝動にかられたが、さすがに男として、そんなみっともない姿は見せられない…
あれ以来、全てを失った気でいたが、俺のちっぽけなプライドだけは残ってたんだな…
そう思ったらおかしくて、みなみに気付かれないように、心の中で苦笑した。
鍵を開けみなみを部屋にあげると、その足でベッドに連れて行き、そのままみなみを押し倒し唇を奪った…
みなみは抵抗すること無く、俺の唇の動きに合わせ、唇を開いてくれた…