投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―
【教師 官能小説】

あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最初へ あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 46 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 48 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最後へ

不安に溺れて-2

世の中の女はたいてい世話好きで、みなみもたぶんにもれず俺に世話を焼くことがあった。



でもまだみなみの場合、それが押しつけがましくない分負担ではなかった。



「佐伯さんの病院帰り?」



『あぁ…』



「どうしてるかと思って来てみたんだけど… 佐々君、相変わらずひどい顔してるよ…」



『そんなこと、自分でも分かってるよ!』



俺は機嫌の悪さも隠さず、吐き捨てるようにそう言った。



今の俺は、うまく感情のコントロールが出来ない程、心がささくれ立っていて、悪意のないみなみにさえ辛く当たってしまう。



でもみなみは、そんなこと気にも止めてないわ…という風に首をすくめてみせると、



「その顔じゃ、ご飯もろくに食べれてないんでしょ? 佐々くんの好きな上海楼のあんかけ焼そば買ってきてあげたから、温かいうちに食べるといいよ」



…と言葉を続けた。



上海楼は、俺とみなみが行きつけの中華の店だった。



あんかけ焼そばが絶品で、いつもの2人の定番メニューだ。



今の弱り切った俺には、みなみのおせっかいが、痛いほど染みる。



みなみの差し出した温かい焼そばの包みを、右手で受け取ると、俺は左手でグイッとみなみを抱き寄せた。



小柄で程よくふっくらとしたみなみの体から、鼻腔をくすぐる甘い花の香りと、優しいぬくもりが伝わってきた。


あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最初へ あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 46 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 48 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前