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あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―
【教師 官能小説】

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佐々の苦悩-6

『―――それとも、もうキスぐらいされたか?』



「―――やめてってば!!」



由里子と2人だけの病室を、重苦しい空気が包んだ。



由里子には、由里子自身が気付いていない、男の本能を激しく掻き立てる何かがある…



俺はだいぶ前から、それを感じていた…



決して正当化される訳もないことだが…



由里子の義父が、娘である由里子を犯したように―――



―――俺だって手順を踏まず、半ば衝動的に由里子の唇を奪ってしまった…



それが若い神木であれば―――?



なおさら、その思いも強いのではないか?



それを考えると―――今後、神木が感じるであろう刹那から、俺はどうやって由里子を守ればいいのか?



―――分からないまま、不安ばかりが膨らんでいく。



『俺―――しばらくここに来るのやめるわ!』



「―――先生がそうしたいなら―――」



『―――そうしたい訳じゃねぇよ!何でお前には分かんねぇんだよ!!』



俺はそう怒鳴った瞬間…無意識のうちに、両手の拳を強く握りしめていた。



その時、まだ治りきらない左手の傷口が開いた…



血が滲み出し、白い包帯をジワジワと赤く染めていった。


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