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天神様は恋も占う?
【青春 恋愛小説】

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天神様は恋も占う?-1

 陽はまた昇る。それは変わることなく、晴れの日も雨の日も、毎日繰り返されるものだ。よく飽きずに毎日続けられるなぁとつくづく思う。もちろん飽きられては困ることではあるが。まあ、そんな不変的な一日の始まりではあるが、今日は少しだけ雰囲気が違う。

 「は〜、やっぱ初日の出は気持ちいいなぁ」
 そう、今日は1月1日、元日だ。初日の出って、なんて清々しいのだろうか。この清々しさを堪能したくて元日は必ず早起きしてしまうんだ。
 どうも、俺は中野純一っていいます。今は高校1年で野球部に所属してます。ポジションはショート。早くレギュラーになりたくて毎日頑張って練習してます。とは言っても、今日は元日。正月三ヶ日はノンビリしていようかな。箱根駅伝も見たいし。
 初日の出を堪能し、おもちも食べ、俺は新年のお笑い番組とかを見ている。すると。
 「♪〜〜〜」
 おっと、着信あり。誰からだろうかと思いながら画面を見ると、そこにはアイツからのメール。
 『今年も初詣に行こうよ!いつものメンバー集めてさ!』
 それは同級生で幼なじみの菅原梓からだった。すぐに承諾のメールを返そうと思ったら。
 「ピンポ〜ン」
 返信する間もなく今度は玄関のインターフォンが鳴る。
 「純一〜?いる〜!?」
 扉ごしに元気な声が聞こえる。新年早々どこに出かけるヤツがいるんだよ、と心の中でツッコミながら扉を開けると、そこにはつい今しがたメールをよこした張本人が立っていた。
 「あけましておめでとう、純一!」
 「おう、おめでとう。っていうかお前来るの早すぎだろ」
 「えへへ、いいじゃん、毎年行ってることだし」
 「まぁいいさ、俺の支度終わるまであがって待っててくれよ」 そう梓に告げ、自分の部屋に行く。 「はぁ〜、ったく年は変われど梓は変わらず、か」
 部屋で着替えながら呟く。俺の母親と梓の母親は小学校からの親友であるため、梓とは幼稚園に入る前からの付き合いだ。その後も小学校、中学校、そして高校も同じ、という絵に描いたような腐れ縁。いつでも元気で喜怒哀楽がハッキリしていて、世話やきで。俺はそんな梓が好きだ。いつの頃からかはわからないけど、気付くと好きになってた。だから今日俺んちに真っ先に誘いに来てくれたことが嬉しかった。
 あ、忘れてたから付け加えるけど、幼稚園からの幼なじみはもう一組いる。今から俺と梓でそいつらを迎えに行く、ということだ。

 「なんとか着いたけど、相変わらずだなぁ」
 「ホント、混んでるネ〜!」
 あれから俺と梓はもう二人の幼なじみとともに、地元の神社である月雁天満宮に来た。 「ここは学業の神様がいるから混むのは当然よ」
 「そうそう、ヤッパみんな最後は神頼みなのさ」
 今俺達に相槌を打ったのがもう二人の幼なじみ。ちなみに男の方は小松島隼斗、女の方は伊藤真奈という。
 ここで神社について話すとすると、さっき隼斗と真奈が言ったようにこの神社は学業の神様。受験生が集まるのは自明なのだ。もちろん現在高一の俺達も去年はここの神様のお世話になったというわけだ。
 その去年のお礼も含めた参拝を終え、俺達はおみくじや御守りを買うことにした。
 「やったー、あたし大吉!」
 「私も私も!」
 抱き合って飛びはねて喜ぶ梓と真奈。新年早々ホントに元気なもんだ。梓は一人でも元気だが、真奈といると更に元気さ5割増し、って感じだ。その元気さを見てると、こっちまで元気になってきそうだ。これが俺が梓に魅了される要因なのかもしれない。
 「おい、どうだった?」
 隼斗に尋ねる。
「吉だよ。う〜ん、なんか微妙だな。お前は?」
 「中吉だった」
」「ふ〜ん、・・・ん?」
 隼斗が何かに気付いた。気になるので問うと、隼斗はにやついた顔で言う。


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