天神様は恋も占う?-2
「恋愛は……ほ〜『暫し待て』か。だまって待ってろよ」
コイツは少し前に俺の恋心に気付いた。それからというもの、隼斗は何かにつけて俺を応援してくれている。ときどき『お前は真奈とはどうなんだ?』と思うこともあるが、なんせ俺にとっては初恋なわけで隼斗のことには手が回らないことが多い。
「ははは、そうしとくか」
本当は心配ではあるが、平静を装って返答しておく。だって、俺は確かに梓のことが好きだ、でもアイツが俺に恋愛感情を持っているかどうかは、そりゃ分からない。だから、正直言って、ホントに待つだけでいいものか不安なんだ。ただ黙って梓を見つめて、梓が他の誰かに取られるのを指をくわえて見ていろと言うのか………。 ゴツン!
「痛ッ!」
「んな感傷的になるなって。梓を信じろ。今までお前が一番梓の側に居たんだろ?」
………ああ、そうだ。俺は小さい頃からずっとアイツの側にいたんだ。少しは信じることをしないといけないな。
「すまねぇな、隼斗」
少しの間自分の引いたおみくじを、そして梓を信じてみよう。
「あ、ねぇねぇ梓、何買ったの?」
「もち、今年は恋愛成就だよ!………今年は純一に告白しようかなぁ・・・」
「あは、おみくじ信じたんだ」
「そりゃ『積極的に』なんて書かれたらネ!よぉし、絶対言うぞ〜!」
───どうやら純一はおみくじどおり、待ったほうが良さそうだ。天神様も見守ってくれているし。