「瓦礫のジェネレーション」-10
もうひとりの男がワンボックスの後ろのハッチをあけると、羽交い締めにしていた方の男は美咲をズルズルと引き摺ってその中へと押し込んだ。すかさずハッチが閉まる。車の中は完全な密室だ。外にいた男は助手席から車に乗り込むとドアをロックし、シートを乗り越えて後ろに移ってきた。男二人につかまれて、たちまち美咲は動きを封じられた。
車の外からはエンジン音を始動する音が聞こえ、直後、ガリガリと車体をこする音をたてて車が走り去って行った。
「あんたの彼氏は薄情だな、自分だけ逃げ出したよ」
「いや、助けを呼びに行ったのかもしれないな。早くすまそうぜ」
そう言うと、二人は美咲の服を乱暴に剥ぎ取っていった。脚をばたつかせて抵抗すると、いきなり平手打ちが飛んできた。痛みよりもショックで身動きがとれなくなる。前の晩に胸を踊らせながら選んだ下着も、あっという間に脱がされていた。
美咲の目に涙が滲んでいる。
(こんな、こんなことって……今日は浩一さんと結ばれる筈だったのに、こんな卑劣な奴等に乱暴されるなんて……)
(浩一さん、逃げたんじゃないわよね、助けを呼びに行ってくれたのよね。おねがい、早く戻ってきて、浩一さん)
男たちの手は、美咲の脚を開かせて中を覗き込んでいる。
「うひゃー、これはこれは。未使用じゃん」
「ラッキー。今日は俺が先だからな。さっさといただこうぜ」
次の瞬間、両脚が抱え上げられたと思うと、なにかが美咲の処女の花びらにあてがわれた。
(いや、だめ、やめてっ)
引き裂かれるような強い痛みに続いて、圧迫されるような鈍い重い痛みが襲ってきた。
「さすがに処女のおま○こは中が窮屈だぜ。たまんねぇ、この締まり」
男が腰を動かすたびに全身をゆさぶられ、引きつれるような痛みが走る。
「早くしろよ、時間がないんだぞ」
「わかった、もうちょいだから」
男の腰の動きが速くなる。
(いやっ、助けて…せめて、せめて中に出すのだけはやめて…)
美咲の願いも虚しく、男は溜っていたものを美咲の奥深く放った。
男が離れると、目の前に急に閃光が走った。
(……なに?)
「さ、記念撮影ですよ〜。ほうら、ピンクの割れ目ちゃんから白いもんがとろっと出て、なんてきれいなんでしょうねえ」
(写真を撮られたの?いやっ、どこまでひどいことすれば気が済むの?もう許して)
「訴えられちゃたまらないからな。この写真をばらまかれたくなければ黙ってろってんだ。ま、月並みだけどな」
男の言葉に絶望感にうち拉がれる美咲にかまわず、もうひとりの男が美咲に重なっていった。
最初ほどではないとはいえ男が動くたびに痛みが走り、美咲の目からは涙があふれていた。
昨日の今頃は浩一との愛に溢れる初体験を夢見ていた。それが今は、見ず知らずの男にふたりがかりで乱暴されて処女を奪われた上、恥ずかしい姿を写真に撮られている。死んでしまいたいと思った。
それにしても浩一はどうしたのだろう。助けを呼びに行くにしても、車でならここから人のいる場所までそう遠くない筈なのに、なぜ戻ってきてくれないのだろう……。手を振り払って自分ひとり車に逃げ込んで中からロックをかけた姿を思い出した。本当にひとりだけで逃げたのだろうか……。
美咲がぼんやりとそんなことを考え始めた時、二人めの男の陵辱が終わった。