投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―
【教師 官能小説】

あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最初へ あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 27 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 29 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最後へ

狂気の朝-1

―――今日は一学期終業日


梅雨明け間近で蒸し暑く、夏の始まりを思わせる朝だった。



さっきから、俺の胸はざわめいていた。



朝のホームルームの時、教室に由里子の姿がなかったからだ。



その後、母親から『風邪のようだから休ませる。』と連絡があったが、俺は母親の言葉を鵜呑みにすることが出来なかった。



昨夜の別れ間際、笑顔で手を振って別れた由里子が風邪だと?



時間を追うごとに、俺の頭の中には、言葉に出来ない苛立ちが募るばかりだった。



「もしも明日の朝、私が学校に来なかったら…その時はうちに来てほしい」



力なく笑いながらそう言うと由里子は俺を見上げた。



その時の、諦めにも似た由里子の表情が甦り、いてもたってもいられず、俺は学校を飛び出した…



    ♯♯♯



昨夜、俺のアパートまで来た由里子を自宅まで送り届けた。



遅い時間なので、『由里子の親に事情を説明するから…』と言った俺に、由里子は「大丈夫だから…」と力なく笑いこう言った。



「その代わり…もしも明日の朝、私が学校に来なかったら…その時はうちに来てほしい」…と。



昨夜は、なんだかんだでひどく疲れていたし、その時の俺は、由里子の身に起こりうる事態を、正確に捉えている余裕がなかった。



しかし、何より現実に由里子が学校に来ていない今、昨夜あのまま帰したことが悔やまれた。



『由里子…もしもだよ。危険な目に遭いそうになったら、どうにかして携帯を玄関のどこかに隠せ…』



由里子が頷き、笑顔で手を振り玄関を入ったのを見届けたあと、俺は家路に着いた。


あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最初へ あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 27 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡― 29 あの日教室で起きたこと―9ヵ月の軌跡―の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前