メルファ・人形残酷(?)物語2-5
「ジャックガ、ヤッタクセニ、私ノ、セイニ、スルナンテ、酷スギルワ」
悲しそうな顔をして、平然とウソを言い放つメルファである。
「イイ加減な事、言うんじゃねえよッ!」
「ソウヤッテ、カ弱イ、人形ヲ、イジメルノネェ。人間ッテ、最低ダワ」
「あのなァ!」
自分の非を認めようとしない、小娘人形にジャックは苛立つ。
それまで黙って、話しのやり取りを聞いていたマルシアがメルファに話しかける。
「アナタが自分で殺したのに、どうして他人に責任をなすりつけるのか理解出来ないわネェ」
「マルシア様マデ、私ノ、セイ二、スルナンテ」
マルシアはメルファの傍に近寄った。
メルファはプィッと、顔を背ける。
「現に1年前、私の目の前でアナタは殺ったんじゃない。他の子供たちの所へ行こうとしたルルを、アナタは足で踏み潰したでしょう?」
「知ラナイワ」
「アナタが殺ったの!」
「私ジャナイッ!!」
「じゃ誰ッ!?」
「ジャック!」
「彼がそんな事するワケないでしょう!?
ウソ言わないで!」
「私ジャナイ!」
「アナタよッ!!」
「私ジャナイッ!!」
「メルファッ!! イイ加減にしなさいッ!!」
ブチ切れたマルシアはメルファの頬をバシーッとビンタ!
弾みで、メルファは床に転げ落ちた。
「ウウウワァーン!!
私ジャナーイッ!
私ジャナーイッ!」
メルファは床に.仰向けのまま泣き出す。
足をバタバタさせながら、泣き喚く様はガキそのものである。
スザンヌが口を開く。
「もう結構。質問を変えます。メルファ、もうイイですから座って」
「ウウ」
メルファはゆっくりと立ち上がり、席に着く。
マルシアはテーブルに肘を付いたままため息をし、ジャックは天井を仰いでいる。
スザンヌの質問は続いた。
「躾はキチンとやっていますか?」
「勿論」
ウソを付け。
ジャックは笑いをこらえるだけだ。