メルファ・人形残酷(?)物語2-3
そして後日…
人形協会から、2人の人形生活アドバイザーがクルー邸を訪れた。
主任のスザンヌ・シルエットと指導員のガーレット・エルモアの2人である。
アドバイザーと言っても、エルファと同じ背丈の動く女性人形である。
エルファとの違いは…
色々学んでいる事と、人間と同じように普通に話す事だろう。
スザンヌなんか、人形学校で講師をも務める、エリート人形なのだ。
メルファほど美人じゃないけど、セミロングの髪にメガネがよく似合う均整の取れた顔つき。
ガーレットの方は緑色のロングへヤーにオデコが広いのが特徴的か顔つきである。
2人はさっそく…
人形部屋の中や子どもたちの様子を確かめようとしたが…
部屋の中には入れなかった。
メルファが子どもたち全員を中に入れて、ドアに鍵を掛けてしまったからだ。
ソファに座ったメルファは、ツーンとした態度を取っている。
スザンヌが人形部屋の方を指差した。
「部屋の中を、見せてもらえません?」
すると…
メルファは冷たい表情で、断固拒否の態度。
「イヤ」
「協会からの指示です、ドアを開けなさい」
「イヤ」
「何故、イヤなのですか?」
ジャックが軽蔑な眼差しで、声をかける。
「意地張ってないで、開けろよメルファ」
メルファはカチンと来て言い返す。
「ウルサイ! ジャックノ、クズ野郎ハ、黙ッテロ!」
ジャックも、これにはカチンと来る。
「オレをクズ野郎呼ばりするたァ、イイ度胸じゃねえかッ!」
立ち上がっているジャック。
すかさず、マルシアはジャックを制止する。
「メルファ、協会の人たちの言う事は、ちゃんと聞きなさい」
「イヤ」
「メルファ!」
「フン!」
マルシアの言う事さえ聞かないメルファは…
まるで、駄々をこねる子供である。